[MSDでのインターンシップ活動] 体験談(2):筑波大学大学院 修士1年 M.Tさん

こんにちは。先週に引き続き、マイクロソフト ディベロップメントでのインターンシップ活動のご紹介第3回目は、ディベロッパーとしての業務を体験した筑波大学大学院 修士1年のM.Tさんに語っていただきます。 M.Tさん ソフトウェア ディベロップメント エンジニア体験談 私はマイクロソフトの開発部門であるマイクロソフトディベロップメント株式会社(以下 MSD)のBingチームにて、およそ2ヶ月間のインターンシップを行いました。Bingチームは、社内ではSTC (Search Technology Center)-Japan と呼ばれているWeb検索サービスBingの開発に携わる部門で、具体的には検索性能の向上や検索機能の追加・改善などを行っています。 ○応募のきっかけ 私がMSDに応募したきっかけは、元を辿れば大学4年生の時の就職活動の失敗でした。現在私は大学院生ですが、当時大学生の私はインターンシップに参加せず、企業での就業体験をほとんど経験したことがなく、それが自分にとって就職活動の時の不安材料になっていました。その経験があったため、今年はインターンシップに参加しようという決意をしました。 上記の理由でインターンシップへ参加する意欲はありましたが、どの企業のインターンシップに参加するかは決めていませんでした。漠然と、実際の就業経験に近いものが体験できる企業が良いという思いがあったので、なるべく期間の長い企業を探していました。「マイナビ」や「リクナビ」などの就職情報サイトで、インターンシップ受け入れ企業を検索した結果、マイクロソフトを見つけ、世界をリードするようなIT企業で就業体験ができれば自分にとって素晴らしい体験になるに違いないと思い、応募を決めました。 ○仕事について・開発の職種 MSDでは、大きく分けて3つの職種があります。「Program Manager(PM)」、「Software Development Engineer in Test (SDET)」、そして私がインターンシップで就いた「Software Development Engineer (SDE)」です。 SDEはPMと現在のプロジェクトをどのように進めていくか話し合い、実際に開発を行っていく職種です。日本企業でいうと、プログラマーやSEと似た職種ですが、マネージャーから言われた仕事を淡々とこなすだけではなく、SDEはPMに対して意見を言うことも可能ですし、プロジェクトの方向性を決定する際、大きな権限をもっているように感じました。 プロジェクト自体はPMとSDEが対等の立場で、互いに意見を言い合って進めていきます。これは一般的な日本企業ではあまり見られない光景なのでは?と感じました。 ・プロジェクト内容 実際に行った仕事についてですが、私は2つのプロジェクトを担当させて頂きました。 1つはインターン用に用意されたプロジェクトで、Bingマップについて、検索キーワード(クエリ)が入力された場合、そのキーワードの中に住所が含まれるかどうかを判定するプログラムの作成を行うというものでした。現在のBingのシステムでは、クエリからの住所の判別精度が低いため、システム内に私の作ったプログラムを導入することを想定し、住所かどうかの判定を強化すること目指しました。(例えば、「横浜 栄区桂町」を「横浜市栄区桂町」と検索できるように住所の一部が欠けていても補完するといったもの。)  もう1つは「テレBing」というiPhoneアプリの機能アップデートに関する仕事でした。テレBingではテレビ番組表を表示し、テレビ番組に関する感想をSNSに投稿できます。みんなで一緒にテレビ番組を見ているような気分を味わえます。 「テレBing」は、自分からやらせてほしいとお願いしました。その結果、Bingチームのもう一人のインターンであるA君(PM)と一緒に機能の改良をやらせていただけることになりました。テレBingに関しては以下のURLを参照していただくと、よりよくわかると思います。http://itunes.apple.com/jp/app/id439322059?mt=8iPhoneをお持ちの方は良ければダウンロードしてみてください! ・プロジェクトの結果 以上の2つのプロジェクトに対し、2ヶ月でどのような仕様にするかをメンター(相談役)の方やインターンシッププロジェクトを支えてくださったみなさんと話し合い実際に仕事をしました。 私が作った住所判別のプログラムは、性能を評価する実験で以前のシステムに比べて約13%も正しく住所を判別できるという実験結果になりました!もし実際のシステムに導入すれば、今までよりもクエリからの住所の特定精度が向上すると思われます。 「テレBing」のアップデートに関しては、実際に開発を行い、いくつかの機能を追加することができました。これは後にアップデートとして公開される予定ですので、テレBingをダウンロードしている皆様は実際に私の追加した機能を使うことになると思います。 ・苦労した点 これはインターンならではの悩みかもしれませんが、開発に対しての知識がまだ浅いため、プログラミングやシステムについての学習を行う必要がありました。社外の図書館や、書店で参考文献を見つけたり、Webで適当なページを探すなどしましたが、それ以外にも社内にはメールで技術的な質問ができる環境や、FAQが社内のWeb上にまとめられているので、解決困難な問題に対しては沢山の解決法が用意されているように感じました。 あと私は英語が得意ではないので、英会話に苦労しました。メールでのやり取りは英語がほとんどなので、それを読むだけでも時間がかかってしまいました。 ○社内でのプロジェクト以外について・インターンシップ前のイメージ、後のイメージ インターンシップ前は、日本に長くビジネスを展開している企業であるため、雰囲気は日本企業と大差ないだろうと思っていました。私のイメージとしては皆スーツを着て、机に向かって静かに仕事をしている、といったものです。しかし実際には、職場は各職種の人たちが活発に意見を交換しあう、活動的な職場でした。もちろんデスクワークもありますが、活発に議論を行ったり、気軽に他人に質問できたりと、上下関係をあまり意識させないような雰囲気でした。服装も、MSDに限らずスーツではない人も沢山いました。 ・仕事の環境 私の仕事は開発なので、基本的にはパソコンに向かってプログラミングを行いました。ここはプロジェクトの内容によって違うと思いますが、私は数日に1回くらいの割合で現在の仕事に関するミーティングを行いました。 また仕事の際、私に与えられたスペースはインターンにはもったいないくらい豪華でした。インターンも、開発環境は社員の方とほぼ同じです。ゆったりした椅子と大きな机(2mくらい!)、ノートパソコン1台にデュアルディスプレイのデスクトップ。ある程度の事務用品は提供されるので、開発環境に関して困ることは全くありませんでした。 インターンには、「メンター」と呼ばれるインターンのお世話をしてくださる相談役の方が1人つくのですが、その方にも質問しやすい雰囲気で、わからないことがあった場合、メンターの方と協力して問題を解決できるのは非常に良かったと思います。 あと、無料で提供される自動販売機もあったので、そこが個人的にはうれしかったです。 ○感想 インターンシップ中はとにかく「楽しい」の連続でした。開発で壁にぶつかることはありましたが、自分で、または他の人と協力して乗り越えることができましたし、人事の方がインターン向けの様々なイベント(MSD社長との昼食会など)を企画してくださったので、毎日が貴重な体験となりました。辛いと思うことが1回もなかったのは、インターンシップを終えてみて、自分でも少し驚いています。「インターンだからダメ」ということがほとんどなく、社員の方と一緒に社員食堂でビリヤードをしたり、飲み会に行ったりと仕事以外でも楽しい体験ができました。 最後となりましたが、インターンシップの機会を頂いた人事の方、Bingチームの方、そしてマイクロソフトの方全てに感謝しています。どうもありがとうございました。
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[MSDでのインターンシップ活動] 体験談(1):東京大学大学院 修士1年 D.Aさん

マイクロソフト ディベロップメントでのインターンシップ活動のご紹介第2回目は、東京大学大学院 修士1年 D.Aさんに感想を語っていただきます。 D.Aさん プログラムマネージャー体験談 よくある理由ですが、学生のうちに実際のIT企業で仕事を体験してみたいと思い、インターンシップを探していました。1dayインターンも多い中で、本格的なIT企業で2ヶ月もの体験ができるマイクロソフトのインターンは、ずば抜けて魅力的に映りました。研究室に届いたビラを見て、ダメもとでの応募でしたが、奇跡的に採用していただいて、貴重な経験を得る事ができました。ありがとうございました。  僕はSTC (Search Technology Center。検索エンジン開発チーム)でProgram Manager (PM)のインターンをやらせて頂きました。仕事用のPCのセットアップが終わった後に最初に指示されたのは、まず一人で社内ツールの使い方やPMの仕事とは何かを色んな資料を見ながら学ぶこと。マイクロソフトの社内にはあらゆる調べごとを一人で行えるだけの情報とネットワークが揃っています。そういった情報やツールに触れられることもインターンの特権でした。そして仕事中に分からないことがあってもすぐに調べる。インターン中にまず感じたことは、「分からないことはまず自分でよく調べる」という空気を肌で感じたことでした。  それから、「やるべきことも自分で探す」、という印象を受けました。一度社員の方に、「○○という案をマーケティングチームの方に提案してみようと思うのですが、どうでしょう」とメールを送ったところ、「それは質問かい?君はこのプロジェクトのPMじゃないか、自分がそう思ったなら実践してみればいいよ!」とさらりと返信を頂きました。ホウレンソウはもちろん大事ですが、やるべき事は自分で考え実践してみる。それをもっともっと行わないといけなかったな、と今になって思います。そしてインターンだからといって社員と大きな差が無く、自分の考えたことをすぐ実践できる環境に置いてもらえたというのも、マイクロソフトの2ヶ月に渡るインターンのメリットであったと思います。  PMとしての役割はとても難しかったです。まずプロジェクトの管理に関しては自分の携わるプロジェクトが決まると、その実装までにやるべき作業を洗い出して、スケジュールを立てて、細かい仕様を決める。その後はSDE (Software Development Engineer)の方と密に連携を取りながら作業を進めていく、と言葉で言ってしまえば簡単ですが、そのどれを取っても単純な作業ではありません。1つ1つの作業に何日かかるのか、その仕様は本当に技術的に可能なのかといった、たくさんの細かい事項を想定する必要があります。また、ミーティングで進捗を報告したり、マーケティングチームの方に連絡を取ったり、様々なことを通してSDEやSDET(Software Development Engineer in Test)の仕事がスムーズに進むようにする、というのがPMという仕事の役割なのだと学びました。 そして、もっと驚いたのはマイクロソフトのPMがプロジェクト管理以外にする事の多様さです。まずそもそも何故このプロジェクトをやらなければいけないのかという理由を市場のデータやユーザーの行動データを基に明確にし、関係者を説得してそのプロジェクトへの投資を確保する。また機能のデザインの仕様を作ったり、リリース後の改善への責任を追うなど、多方面への仕事力が要求されます。 そのどれもを完璧にこなすことはできませんでしたが、プログラムマネージャーという仕事はマイクロソフト独特のもので、学生のうちに少しでもそのようなことを体験できたことは本当に良かったと思います。  そして開発だけに関わらず、日本のマイクロソフトがこんなにも一般的な日本の会社のイメージと離れているとは、多分ほとんどの学生は知らないのではないかと思います。オフィスがフリーアドレス制の部署があったり、チーム内では日本人同士でもメールが英語で行われていたり、人によって仕事をする時間帯が何時間も異なっていたり。海外のチームの方とも綿密にコンタクトを取りながら議論をすすめ開発を行っていくにはそういったフレキシブルな制度が必要不可欠なのだと感じます。それに付属して海外の文化を取り入れているのも新鮮でした。インターン中に「ファミリーデー」というイベントがあり、社員の方々が家族を連れて会社に来ていた日などは本当にびっくりしてしまいました。それぞれプレッシャーを感じることはあるかもしれませんが、各人が自分のスタイルで自由に仕事を行っている、という表現がまさにその通りだと感じます。まるで海外のテレビドラマに出てくるオフィスをそっくりそのまま移したような、夢のような空間でした。 なにより周囲の社員の方々は本当に優秀な方ばかりです。技術的な知識はもちろん、それを人に説明したり問題を解決するスピード・行動力も凄い。僕自身が英語の能力やプレゼンテーション能力の不足に加えて、もっと積極的に自分から行動する力が必要だったな、と強く反省しています。  僕がインターン中に携わったプロジェクトは、Rich Captionというプロジェクトです。Bingの検索結果のページには各ページへのリンクが張られたページタイトルと、その下にページを説明する文章などがついています。このページタイトルや説明文をより意味のあるものにすることが目的でした。 検索結果に現れる頻度やウェブサイトの性質などを考慮して、まず日本のQ&AサイトとレストランサイトのRich Captionのモデル作りを行いました。そしてSDEの方のご尽力のおかげで、その一部をインターン中に実装することができました。(この場を借りて、SDEのSさんにお礼を言いたいと思います。)リッチキャプションの例:  それからサブプロジェクトとして、「テレBing」というiOSアプリケーションのバージョンアップに携わりました。なかなかテレビ番組表を見ることが出来るアプリは現在少ないですが、このアプリは新聞よりも良いデザインでテレビ番組表や番組の説明を見ることができ、番組に関するリアルタイムなtweetを見たり、自分でtwitterやFacebookにつぶやいたりも出来る、動作も速くとても使い心地の良いアプリです。 僕はまずユーザーの方の意見を集め、実際に調査を行った後、必要だと思われる機能をいくつか追加するということを、SDEインターンのT君と一緒に行いました。このブログを読んでくださっているiOSユーザーの方も、ぜひ使ってみてください。  全体として、本当に毎日が刺激的で、学ぶことの多いインターンでした。今後もRich Captionプロジェクトは続くとのことなので、社外からBingを使って毎日チェックしています。ミーティングで話されていた他のチームの方のプロジェクトが実装されるのも、楽しみにチェックしていきたいと思っています。 そしてインターン仲間も個性豊かで良いつながりができました。誰もが豊富なIT知識を持っていて、情熱があって、飲み会の場でも盛んにこれからのIT業界を語ったりする、本当にITが好きなのだな、と思わせるインターン仲間達ばかりでした。そのような優秀な人たちの中で、自分は英語力、プレゼンテーション力、コミュニケーション力、プログラミング能力、どれをとってもまだ足りていないと感じるのも事実でした。そういった事に気づくことができただけでも良かったと思いますし、そういったものを磨いて社会に出られるよう、残りの学生生活を頑張っていきたいと思います。そして自分の後輩にも来年このインターンを勧めたいと思います。僕と同じように英語やプレゼンテーションが苦手だという学生は多いかもしれませんが、社員の方々にそれをテストされるわけではなくて、誰もが通る道としてその悩みを共有して支えてくださいます。苦手だからこそ優秀な人たちを見て刺激を受け、少しでもそれに近づけるよう経験を積むことができるのがインターンという制度の魅力の一つなのだと認識しています。 最後になりましたが、STC Japanの方々をはじめ、多くのマイクロソフトの方々に2ヶ月間本当にお世話になりました。ありがとうございました。
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マイクロソフトディベロップメントでのインターンシップ活動について

みなさん、こんにちは。Bingの機能やサービスに関する話題をご紹介することが多い本ブログですが、今回から3回にわたって、日本でBingの開発を手掛けているサーチテクノロジーセンタージャパン(STC-Japan)でのインターンシップ活動についてご紹介いたします。検索エンジンや、ソフトウェア開発の現場でのインターンシップを希望されている学生の方にも参考にしていただけるのではないかと思います。 1回目の今回は、STC-Japanが所属するマイクロソフト ディベロップメント株式会社(MSD)が学生インターンを募集している理由と意義についてご紹介します。2回目は、Program Managerとしての業務を体験した東京大学大学院修士1年D.Aさんに、3回目は、Software Development Engineerとしての業務を体験した筑波大学大学院修士1年M.Tさんに、それぞれインターンの体験と感想を語っていただきます。 MSDのインターンシップについて さて、MSDやSTC-Japanにおけるインターンシップは2ヶ月に及ぶもので、日本では比較的期間が長いインターンシップと言われていますが、これには理由があります。インターンシップは米国のIT企業ではどこでも一般的に行われていることで、企業によっては1年ないしそれ以上の期間のプログラムをオファーしているところもあります。MSDではインターンシップを非常に重要な機会として捉えています。なぜなら、インターンの学生さんにとっては、実社会に出る前に、実際の仕事を実際の環境で体験できる貴重な機会であり、インターン生はこの2ヶ月間という期間をフルに使って、社員と別け隔てなく仕事ができるからです。また、MSDにとってもインターンシップを通して学生の方々に実際の仕事を生で体験してもらえることから、マイクロソフトで開発の仕事をすることがどういうものなのかを深く理解してもらえる機会を提供しています。 すでに米国ではマイクロソフトのインターンシップは学生たちのステータスを大きく高めるため、たいへん競争率の激しいプログラムとなっています。日本でも今後、MSDのインターンシップが学生の方々がステータスアップするための機会となれるよう拡充を図っていきたいと考えています。STC-JapanはMSDの一員として2年前からインターンシッププログラムを開始し、すでに正社員としてチームの一員になった人もいます。私たちにとってインターンシップはすでに欠かせない夏の重要な行事の一つになりました。今後も面白いプロジェクトをインターンの方々にリードしていただきたいと思います。MSDのインターンシップにご興味のある方は、ぜひ体験談を読んでいただき、来年のMSDのインターンシップに関する情報もチェックしていただければ幸いです。それでは次回からの、インターンシップを体験したお二人の生の声をお楽しみに!
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