[MSDでのインターンシップ活動] 体験談(1):東京大学大学院 修士1年 D.Aさん

マイクロソフト ディベロップメントでのインターンシップ活動のご紹介第2回目は、東京大学大学院 修士1年 D.Aさんに感想を語っていただきます。

D.Aさん プログラムマネージャー体験談

 よくある理由ですが、学生のうちに実際のIT企業で仕事を体験してみたいと思い、インターンシップを探していました。1dayインターンも多い中で、本格的なIT企業で2ヶ月もの体験ができるマイクロソフトのインターンは、ずば抜けて魅力的に映りました。研究室に届いたビラを見て、ダメもとでの応募でしたが、奇跡的に採用していただいて、貴重な経験を得る事ができました。ありがとうございました。

 僕はSTC (Search Technology Center。検索エンジン開発チーム)Program Manager (PM)のインターンをやらせて頂きました。仕事用のPCのセットアップが終わった後に最初に指示されたのは、まず一人で社内ツールの使い方やPMの仕事とは何かを色んな資料を見ながら学ぶこと。マイクロソフトの社内にはあらゆる調べごとを一人で行えるだけの情報とネットワークが揃っています。そういった情報やツールに触れられることもインターンの特権でした。そして仕事中に分からないことがあってもすぐに調べる。インターン中にまず感じたことは、「分からないことはまず自分でよく調べる」という空気を肌で感じたことでした。
 
 
それから、「やるべきことも自分で探す」、という印象を受けました。一度社員の方に、「○○という案をマーケティングチームの方に提案してみようと思うのですが、どうでしょう」とメールを送ったところ、
「それは質問かい?君はこのプロジェクトのPMじゃないか、自分がそう思ったなら実践してみればいいよ!」
とさらりと返信を頂きました。ホウレンソウはもちろん大事ですが、やるべき事は自分で考え実践してみる。それをもっともっと行わないといけなかったな、と今になって思います。そしてインターンだからといって社員と大きな差が無く、自分の考えたことをすぐ実践できる環境に置いてもらえたというのも、マイクロソフトの2ヶ月に渡るインターンのメリットであったと思います。

 PMとしての役割はとても難しかったです。まずプロジェクトの管理に関しては自分の携わるプロジェクトが決まると、その実装までにやるべき作業を洗い出して、スケジュールを立てて、細かい仕様を決める。その後はSDE (Software Development Engineer)の方と密に連携を取りながら作業を進めていく、と言葉で言ってしまえば簡単ですが、そのどれを取っても単純な作業ではありません。1つ1つの作業に何日かかるのか、その仕様は本当に技術的に可能なのかといった、たくさんの細かい事項を想定する必要があります。また、ミーティングで進捗を報告したり、マーケティングチームの方に連絡を取ったり、様々なことを通してSDESDET(Software Development Engineer in Test)の仕事がスムーズに進むようにする、というのがPMという仕事の役割なのだと学びました。
 そして、もっと驚いたのはマイクロソフトのPMがプロジェクト管理以外にする事の多様さです。まずそもそも何故このプロジェクトをやらなければいけないのかという理由を市場のデータやユーザーの行動データを基に明確にし、関係者を説得してそのプロジェクトへの投資を確保する。また機能のデザインの仕様を作ったり、リリース後の改善への責任を追うなど、多方面への仕事力が要求されます。
 そのどれもを完璧にこなすことはできませんでしたが、プログラムマネージャーという仕事はマイクロソフト独特のもので、学生のうちに少しでもそのようなことを体験できたことは本当に良かったと思います。

 そして開発だけに関わらず、日本のマイクロソフトがこんなにも一般的な日本の会社のイメージと離れているとは、多分ほとんどの学生は知らないのではないかと思います。オフィスがフリーアドレス制の部署があったり、チーム内では日本人同士でもメールが英語で行われていたり、人によって仕事をする時間帯が何時間も異なっていたり。海外のチームの方とも綿密にコンタクトを取りながら議論をすすめ開発を行っていくにはそういったフレキシブルな制度が必要不可欠なのだと感じます。それに付属して海外の文化を取り入れているのも新鮮でした。インターン中に「ファミリーデー」というイベントがあり、社員の方々が家族を連れて会社に来ていた日などは本当にびっくりしてしまいました。それぞれプレッシャーを感じることはあるかもしれませんが、各人が自分のスタイルで自由に仕事を行っている、という表現がまさにその通りだと感じます。まるで海外のテレビドラマに出てくるオフィスをそっくりそのまま移したような、夢のような空間でした。
 なにより周囲の社員の方々は本当に優秀な方ばかりです。技術的な知識はもちろん、それを人に説明したり問題を解決するスピード・行動力も凄い。僕自身が英語の能力やプレゼンテーション能力の不足に加えて、もっと積極的に自分から行動する力が必要だったな、と強く反省しています。

 僕がインターン中に携わったプロジェクトは、Rich Captionというプロジェクトです。Bingの検索結果のページには各ページへのリンクが張られたページタイトルと、その下にページを説明する文章などがついています。このページタイトルや説明文をより意味のあるものにすることが目的でした。
 検索結果に現れる頻度やウェブサイトの性質などを考慮して、まず日本のQ&AサイトとレストランサイトのRich Captionのモデル作りを行いました。そしてSDEの方のご尽力のおかげで、その一部をインターン中に実装することができました。(この場を借りて、SDESさんにお礼を言いたいと思います。)

リッチキャプションの例:


 それからサブプロジェクトとして、「テレBing」というiOSアプリケーションのバージョンアップに携わりました。なかなかテレビ番組表を見ることが出来るアプリは現在少ないですが、このアプリは新聞よりも良いデザインでテレビ番組表や番組の説明を見ることができ、番組に関するリアルタイムなtweetを見たり、自分でtwitterFacebookにつぶやいたりも出来る、動作も速くとても使い心地の良いアプリです。
 僕はまずユーザーの方の意見を集め、実際に調査を行った後、必要だと思われる機能をいくつか追加するということを、SDEインターンのT君と一緒に行いました。このブログを読んでくださっているiOSユーザーの方も、ぜひ使ってみてください。

 全体として、本当に毎日が刺激的で、学ぶことの多いインターンでした。今後もRich Captionプロジェクトは続くとのことなので、社外からBingを使って毎日チェックしています。ミーティングで話されていた他のチームの方のプロジェクトが実装されるのも、楽しみにチェックしていきたいと思っています。
 そしてインターン仲間も個性豊かで良いつながりができました。誰もが豊富なIT知識を持っていて、情熱があって、飲み会の場でも盛んにこれからのIT業界を語ったりする、本当にITが好きなのだな、と思わせるインターン仲間達ばかりでした。そのような優秀な人たちの中で、自分は英語力、プレゼンテーション力、コミュニケーション力、プログラミング能力、どれをとってもまだ足りていないと感じるのも事実でした。そういった事に気づくことができただけでも良かったと思いますし、そういったものを磨いて社会に出られるよう、残りの学生生活を頑張っていきたいと思います。そして自分の後輩にも来年このインターンを勧めたいと思います。僕と同じように英語やプレゼンテーションが苦手だという学生は多いかもしれませんが、社員の方々にそれをテストされるわけではなくて、誰もが通る道としてその悩みを共有して支えてくださいます。苦手だからこそ優秀な人たちを見て刺激を受け、少しでもそれに近づけるよう経験を積むことができるのがインターンという制度の魅力の一つなのだと認識しています。

最後になりましたが、STC Japanの方々をはじめ、多くのマイクロソフトの方々に2ヶ月間本当にお世話になりました。ありがとうございました。